仕事でのプレゼンや商談、初めて会う人との会話、大勢の前で話す場面など、緊張や不安を感じることは誰にでもあります。
不安は危険を察知し、慎重に行動するために備わっている自然な感情です。
しかし、その不安が過度に強くなり、日常生活や仕事に大きな影響を与えるようになることがあります。
「外出するだけで強い不安を感じる」
「人前に出ることが怖くなってしまった」
「不安が強く、仕事や生活に支障が出ている」
このような状態が続いている場合は、不安症(不安障害)が関係している可能性もあります。
ここでは、不安症(不安障害)とはどのような状態なのか、そして不安とどのように向き合っていけばよいのかをご紹介します。
目次
1.不安症(不安障害)とは?
不安症(不安障害)とは、不安や恐怖が過度に強くなり、仕事や学校、家庭生活などに支障が生じている状態をいいます。
不安そのものは誰にでもある自然な感情ですが、その程度が強くなり、生活に影響するようになると治療や支援が必要になることがあります。
代表的なものには次のようなものがあります。
全般性不安症(全般性不安障害)
仕事や健康、人間関係など、さまざまなことが心配になり、不安が頭から離れなくなる状態です。
社会不安症(社会不安障害)
人前で話すことや注目される場面に強い不安や恐怖を感じ、仕事や学校生活に影響が出ることがあります。
パニック症(パニック障害)
突然、強い動悸や息苦しさ、めまいなどが起こり、「このまま倒れてしまうのではないか」という強い恐怖を感じることがあります。
2.不安は誰にでもある自然な反応です
「こんなことで不安になるなんて、自分は弱いのではないか」
そう考えてしまう方も少なくありません。
しかし、不安は心の弱さではなく、自分の身を守るための大切な働きです。
危険を察知したり、慎重に行動したりするためには、不安は必要な感情でもあります。
問題になるのは、不安が強くなりすぎてしまい、
・仕事へ行けなくなる
・人と会うことが難しくなる
・外出を避けるようになる
・常に緊張した状態が続く
といったように、日常生活へ影響が及んでしまうことです。
3.不安が強くなると身体にも変化が起こります
強い不安を感じると、脳や自律神経が反応し、身体にもさまざまな変化が現れます。
例えば、
・動悸
・息苦しさ
・手足の震え
・吐き気
・めまい
・発汗
などの症状が現れることがあります。
こうした反応は、不安を感じたときに身体が危険へ備えようとする自然な仕組みによるものです。
そのため、「気のせい」や「甘え」ではありません。
身体症状があることでさらに不安が強くなり、悪循環になってしまうことも少なくありません。
4.不安が続く背景にはさまざまな要因があります
不安症(不安障害)は、一つの原因だけで起こるものではありません。
体質やストレスだけでなく、
これまでの経験や人間関係、
考え方のパターン、
環境の変化など、
さまざまな要因が重なって不安が強くなることがあります。
そのため、
「気合いで乗り越えよう」
「考えすぎないようにしよう」
と頑張るほど苦しくなってしまう方もいます。
大切なのは、不安を無理になくそうとすることではなく、
「なぜ今、自分はこれほど不安を感じているのか」
その背景を理解していくことです。
5.不安とのつき合い方を考える
不安症(不安障害)では、必要に応じて薬物療法が行われることがあります。
一方で、カウンセリングでは、不安そのものを否定するのではなく、不安が強くなる背景や、人との関わり方、考え方のパターンを整理しながら、不安とのつき合い方を一緒に考えていきます。
不安を完全になくそうとすると、かえって不安に意識が向いてしまうことがあります。
だからこそ、
「不安をなくすこと」
ではなく、
「不安があっても生活できること」
を少しずつ目指していくことも大切です。
6.まとめ
不安は誰にでもある自然な感情です。
しかし、その不安が強くなり、仕事や日常生活に支障をきたしている場合には、不安症(不安障害)が関係していることがあります。
「自分が弱いから」
「もっと頑張らなければ」
と自分を責める必要はありません。
まずは、
今、自分に何が起きているのか。
なぜこれほど不安が続いているのか。
その背景を理解することが、不安との付き合い方を見つける第一歩になります。
不安は一人で抱え込み続けるほど、大きく感じられることがあります。
一方で、その背景を整理し、自分自身を理解していくことで、不安との向き合い方が少しずつ変わっていくこともあります。

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<資格> 公認心理師
<所属学会> 日本公認心理師学会







