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不安をなくそうとするほど苦しくなる理由
「不安になりたくない」「早くこの不安を消したい」「気にしないようにしようと思うのに気になってしまう」不安を抱えていると、多くの人は何とかして不安をなくそうとします。
それはとても自然なことです。誰でも苦しい気持ちからは早く解放されたいと思うでしょう。
しかし実際には、不安をなくそうと頑張るほど、不安が大きくなってしまうことがあります。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
1. 不安は本来、悪いものではありません
不安という感情は、危険から身を守るために備わっている大切な働きです。
例えば、次のような不安があるからこそ、人は準備をしたり、慎重に行動したりすることができます。
- 大事な仕事の前に緊張する
- 試験の前に不安になる
- 将来について考える
もし不安がまったくなければ、危険な状況にも無防備に飛び込んでしまうかもしれません。
つまり、不安そのものは悪者ではないのです。
2. 不安を消そうとすると不安に意識が向きます
「不安になってはいけない」「考えないようにしよう」そう思えば思うほど、不安が気になってしまった経験はないでしょうか。
例えば、「白いクマのことを考えないでください」と言われると、多くの人は逆に白いクマを思い浮かべます。
不安も同じです。消そうとすればするほど、「まだ不安がある」「まだ消えていない」と確認するようになります。
その結果、ますます不安に意識が向いてしまうのです。
3. 不安をなくすことが目的になってしまうことがあります
不安が強くなると、「不安をなくしてから行動しよう」と考えることがあります。
しかし現実には、不安が完全になくなるのを待っていると、いつまでも動けなくなってしまうことがあります。
例えば、次のように考えていても、不安はゼロにはなりません。
- 自信がついてから転職したい
- 不安がなくなったら人と会いたい
- 心配がなくなったら挑戦したい
すると行動できない状態が続き、「やっぱり自分はダメだ」という新たな不安や自己否定につながることもあります。
4. 不安との戦いが苦しさを大きくします
不安そのものよりも、「不安を感じてはいけない」という考えの方が苦しさを大きくしていることがあります。
不安があることに加えて、「こんなことで不安になるなんて情けない」「もっと強くならなければならない」と自分を責めてしまうからです。
すると、不安を感じる。不安を嫌う。さらに不安になる。また不安を嫌う。という悪循環が生まれます。
苦しいのは不安だけではなく、不安との戦いそのものなのです。
5. 不安と付き合うという考え方
不安を完全になくそうとすると苦しくなります。一方で、「不安があっても大丈夫」という考え方ができるようになると、少しずつ楽になることがあります。
不安があることと、不安に支配されることは別です。
不安を抱えながらでも、仕事をすることはできます。人と会うこともできます。新しい挑戦をすることもできます。
大切なのは、不安を消すことではなく、不安との付き合い方を身につけていくことです。
6. 不安に悩んでいる方へ
不安が強いと、「この不安さえなくなれば楽になれるのに」と思うかもしれません。
しかし実際には、不安をなくそうと頑張り続けることが、苦しさを長引かせている場合があります。
まずは不安を敵として扱うのではなく、「今、自分は不安を感じているんだな」と気づくことから始めてみてください。
不安を否定したり追い払ったりするのではなく、その存在を認めながら付き合っていく。その視点を持つことで、不安との関係は少しずつ変わっていくことがあります。
また、不安の強さには、その人の性格だけでなく、これまでの経験や人間関係の影響が関係していることもあります。
なぜ自分はこれほど不安になりやすいのか。なぜ同じような不安を繰り返してしまうのか。その背景を理解していくことも、不安との付き合い方を見つけるための大切な一歩です。
不安をなくすことだけを目指すのではなく、不安の意味や背景にも目を向けてみる。そこから少しずつ、不安との関係は変わり始めることがあります。

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<資格> 公認心理師
<所属学会> 日本公認心理師学会







